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「出来高系指標」徹底解説!

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あけましておめでとうございます。
昨年12月は前回から1年以上もの間を空けてMT4の更新が2回ありました。最新版はbuild1170という12月20日版です。今までと何が違うのかですが、一目見て違うのはVirtual Server登録とシグナル配信登録のアイコンが追加されたこと、ただこれらは新機能ではありません。

メタクオーツ社のアナウンスでは、細かなバグの修正と安定化とのみ書かれていますので、これまでの見つかったバグを修正したのみに留まるようです。既に開発はMT5に移っていますので、ある意味ソフトウェアとしての安定性は間違いないところですが、この時期に更新が入って驚かれた方に簡単に説明させていただきました。

出来高系指標

MT4には出来高系指標としてインディケータのボリュームという分類に4つの指標があらかじめ組み込まれています。FXの場合、取引所で取引が行われる株式等と異なり、出来高自体が各業者のものに限られますが、そもそもMT4における出来高というのは、Bid / Askでどのくらい上下に振れたかという値動きを出来高とみなしています。

例として、上昇トレンドが出ているときに多くの参加者がAskをヒットしている状態であれば、出来高も増えるというイメージです。1万通貨でも10万通貨でも同じ1回の値動きとカウントされますので、純粋な意味での出来高とは異なりますが、ある程度代用できると思います。

Volumes

まずは、シンプルなVolumes(ボリューム=出来高)をご覧ください。

ドル円1時間足にVolumesを表示したものです。

こちらは、チャートの下に表示する「出来高の表示」と同じものですが、出来高が増加している時は緑、減少している時は赤と色分けされているため、出来高の増減がわかりやすい指標です。

通常、価格と出来高の関係としては株価が前提となるので出来高の増加は株価の上昇といった説明がされますが、FXの場合は上昇が望ましいというものではないため、出来高が増加している状態、つまり上記のVolumesで緑の状態はトレンドの発生が認められ、Volumesが極端に大きい場合には反転が近い、という考え方がベースとなります。また出来高が減少している状態、Volumesで赤の状態はトレンドからもみあいに向かっているという見方となります。

ただし、出来高という指標それ自体が単独で使うものではないため、必ず他の指標と組み合わせて利用するようにしてください。

Accumulation / Distribution

この出来高を利用したテクニカル指標をひとつだけ紹介しておきましょう。

Accumulation / Distribution(以下、A/D)は、ラリー・ウィリアムズ氏が開発した出来高系の木偶に勝る指標です。直訳するとAccumulation(アキュムレーション)とは蓄積、Distribution(ディストリビューション)とは発散となりますが、アキュムレーションは継続的に買われてエネルギーが蓄積されている状態、ディストリビューションは仕切りの売りが出てエネルギーが発散している状態とされます。

先ほどのチャートにA/Dを表示したものをご覧ください。

通常の読み方としては以下のようになります。

買い:価格が下がっている時にA/Dが上昇
売り:価格が上がっている時にA/Dが下落

簡単に言えば、価格と出来高のダイバージェンスをもって判断するということになりますが、上記のチャートではほぼ価格とA/Dが同じような動きをしていて、ダイバージェンスは見られません。出来高系指標は扱いが難しい面もありますが、知識としては知っておいても良いと思います。

改めて、本年もよろしくお願いいたします。

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