デモとリアルでトレード結果に差が生じる理由とは?
FXトレード・フィナンシャル MT4には実際のお金を入金しなくても疑似取引が
できるデモ口座と、実際に証拠金を入金してトレードを行なうリアル口座とがあり
ます。勿論、MT4をトレードツールとして採用する会社で、デモ口座を用意して
いないところは、まずもってないのですが、デモ口座でインジケーターを参考に
トレードを行なったり、EAをテスト使用した後にリアル口座で本番トレードが
出来ることは素晴らしいと思います。
さて、MT4とEAとを使用して自動売買を行なう場合も、MT4で裁量トレードを行
なう場合も、デモ口座とリアル口座のトレードに差が生じると言う話を聞いた方も
いらっしゃるのではないでしょうか?
中には、デモ口座よりもリアル口座のトレード結果が良くない場合に、そのことを
指摘する意見も目にします。
本日は、差が生じる理由をご説明したいと思います。
下の画は、左側がリアル口座で動いているForex White Bear V1 & Forex Solid
のトレード実績。右側がデモ口座で稼働しているForex Solidです。
リアル口座には、Forex White Bear V1のトレード結果も含まれていますので
損益曲線はあまり意味はございません。
肝心なリアル口座のForex Solidとデモ口座のForex Solidのトレード比較である以下の
画をご覧ください。
5/7 1:45 の買いトレード
リアル口座 エントリー 1.13210 決済 5/7 2:32 1.13390 利益 ¥4,230
デモ口座 エントリー 1.13204 決済 5/7 2:29 1.13374 利益 ¥4,064
となっています。エントリー時間に分単位で差はありませんが、決済は3分リアル口座
の方が遅れています。
このトレードでは、結果的にデモ口座よりもリアル口座の方が利益は大きくなって
いますが、4:50、7:00、7:25のトレードでは、その反対に利益が減っています。
16:15のトレードでは、また、リアル口座の方が大きな利益となっています。
このような差が生じる原因の1つには、レートの差が考えられます。
エントリー時のレートも異なりますが、決済時のレートもリアル口座、デモ口座同一
の値動きをしていることはあり得ませんので、Forex Solidのロジックが同じタイミ
ングで決済を実施しなかった可能性があることです。
もう一つは、ニューヨーク時間の取引が多い時間帯に決済を試みたけれども即座に約定
しなかったということが考えられます。
この2つの原因はなぜ生じるのかという理由を知るためには、FX取引の仕組みから
見る必要があります。
日経新聞紙面などでも度々取り上げられていますのでご存知の方も多いと思います
が、一般的にFX会社は投資家の売り注文と買い注文とを自社内で相殺(マリー)と
相殺しきれない注文をインターバンク市場に注文するケースとを使い分けます。
画像引用 2013/9/18 13:46日本経済新聞 夕刊
相殺(マリー)の場合は、自社内ですので時間はかかりませんが、インターバンク市場に注文
する場合は、簡単に言うと売り買いに応じてくれないケース、混雑していて時間がかかる
ケースなどが発生します。現代のコンピューターの処理能力で大量の受発注を捌くとは
いいましても、あまりに膨大な量が集中した場合や、売買の参加者が少ないタイミングや
通貨では時間もコストもかかってしまう訳です。
そのような結果、リアル口座では直ぐ約定しないケース、コストがかかるのでスプレッドを
広くせざるを得ないケースが発生します。
しかしながら、デモ口座の売買は実際にコストを支払ってインターバンク市場に注文を出す
ということはありませんので、サクサクと決済、約定が実施されるということになります。
この仕組みが分かれば、デモ口座とリアル口座との差が生じることは、寧ろ当たり前と
言えるのではないでしょうか。
余談ですが、個人的には、上の画にある相殺(マリー)とインターバンク市場への注文を
使い分けるFX(外国為替証拠金取引)と言う仕組みを作って、世界中の投資家の参加を
募り為替決済の流動性を高めたことは、すごい発明だったなぁと思います。
昨日のニュースでは、東京商品取引所の金先物取引もこのFXの仕組みに近いものを取り入
れたとありましたが、一層、いろんな投資商品において、FXと同様の仕組みが広がってくる
かもしれないと思います。
※口座申込み完了日時が2020年5月2日AM9:00以降のお口座では、FX自動売買プログラム(EA)を組み込んで行う自動売買取引はできません。