チャート機能を使い倒すコツ④
前回は移動平均線を例にパラメータの設定について見ましたが、このパラメータはメインチャート部分に表示するテクニカル指標とサブチャートとして表示するテクニカル指標では内容が異なります。今回はサブチャートに表示するテクニカル指標の代表としてRSIを例にサブチャートのパラメータを見ながら、気づかないと間違える落とし穴について説明しましょう。
RSIのパラメータ
まず、ユーロドル日足に14期間のRSIを表示したチャートをご覧ください。
そして、以下がこのRSIのパラメータです。
あえて、下限設定と上限設定を外していますが、今日の落とし穴はこれです。
先ほどのチャートを見ると、RSIはサブチャートの上下いっぱいに動いているかに見えますが、実際はグレー表示されている通り、下限が47.3627、上限が76.262です。通常の下限0、上限100の場合は以下のようなRSIになります。
まったく別の指標を見ているかのようですが売られすぎどころか50以下にもほとんど行っていないことがわかります。
パラメータでは以下の赤枠で囲った部分のようにします。
そして、ここからが落とし穴の話ですが、MT4では複数の同一指標を同じサブチャートに表示することが可能です。例えばRSI14期間とRSI3期間を重ねて表示させると以下のようになります。
このチャートでは3期間のRSIをピンクで表示していますが、この3期間RSIでも下限と上限を上記の設定で揃えているので正しく表示されています。
もし、下限と上限を設定しない自動フィット状態だとどうなるでしょうか。
このように、それぞれが自動フィットのスケールを取るために全く意味のないテクニカル指標になってしまうのです。
今回は違いを際立たせるためにあえて極端に出る例を持ちましたが、微妙な違いだと気づかないこともあります。同じサブチャートに同一のテクニカル指標を出す時には、必ず下限と上限をそれぞれの指標で揃えること(0と100とは限りません)、これは常に意識しておくべき重要な落とし穴と言えるでしょう。
◆本稿は筆者の個人的見解に基づき、執筆されたものです。あくまでも個人ユーザー向けのコラムとして提供された参考記事であり、FXTFの見解、分析ではございません。