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山中康司MT4ブログ連載開始!

今年から隔週のペースでMT4ブログを担当させていただくこととなりました。こちらでもどうぞよろしくお願い致します。

初回なのでまずは当ブログでどのようなことを書いていく予定なのかを説明させていただきます。

基本的にはMT4をより活用していただくコンテンツを目指していますが、その中でもテクニカル指標をどのように使うのか、また自動売買を行う際のテクニカル指標の使い方といったMT4中級者を目指す方をターゲットとしながら、時にはやさしい記事ややや高度な記事も織り交ぜながら進めていきたいと思います。

自動売買とテクニカル指標

チャートで見る時のテクニカル指標と自動売買を行う際のテクニカル指標自体に違いはありませんが、自動売買のためのプログラムであるEAの場合、ひとつずつ丁寧に説明してあげるという作業が必要です。

例えば、今回紹介するEA「FXTF RSI50」(FXTF作成)では、RSIの50抜けをエントリー(仕掛け)のベースに置いています。

※EA「FXTF RSI50」(サンプル用デモ版)は、MT4メニュー「ファイル」⇒「データフォルダを開く」⇒フォルダ「MQL4」⇒フォルダ「Experts」に「xxx.ex4」ファイルを格納⇒MT4のナビゲーターウィンドウ上で「更新」またはMT4端末を再起動することで利用できるようになります。ダウンロードはこちら

RSIの見方としては、
買われすぎ、売られすぎゾーンでの逆張り
センターライン(50)抜けの順張り
との主に2つの考え方がありますが、このEAでは後者②のセンターライン抜けを使っています。

次のRSIの模式図をご覧ください。

20170110_2_2_rsi画像

ここでは、青いラインが下から0, 30と70, 100として売られすぎゾーンと買われすぎゾーンを示すとともに、緑のラインがセンターライン(50)を示し、そのセンターラインを上抜けたら買い、下抜けたら売りというイメージを示しています。

人間の判断力(目でチャートを読む力)はすごいもので、上記のラインマーカーで示した部分における上抜け、下抜けを瞬時に判断した上で順張りの売買を行うことが可能です。しかし、この瞬時に判断できることがEAでは1行ずつ示してあげる必要があります。

一番左のRSI50の上抜けであれば、「2本前のRSIが55よりも小さく」かつ「1本前のRSIが55よりも大きい」(誤差を考え55を上抜けの水準としています)場合に「買い」というように書くこととなりますし、中央のRSI50の下抜けであれば、「2本前のRSIが45よりも大きく」かつ「1本前のRSIが45よりも小さい」(誤差を考え45を下抜けの水準としています)場合に「売り」というように書くこととなります。

自動売買のプログラムであるEAの内部では、エントリーひとつ取ってもこのように1行ずつ書いてあげる必要があるわけです。同様にエグジット(仕切り)も、資金管理も、ポジション監視も、と全てのことを丁寧に書いてあげる必要がありますが、いったんEAになってしまえば、あとは24時間継続して自動売買を行ってくれるため非常に便利です。

売買のタイミングを判断するという点では人間の目に分がありますが、眠らずに取引をし続けるという点では自動売買に分があるということになります。

EAのロジック

今回、FXTFがサンプルとして作成したEAのロジックをまとめると以下のようになります。

エントリー: 55の上抜けで買い、45の下抜けで売り。
エグジット: 買いポジションは55の下抜け、売りポジションは45の上抜けで決済

他にもEAをより有効に稼働させるために諸条件を付加します。

①ストップ: 別途20日ATR(FXの場合、値幅の20日平均とほぼ同じ)をストップ
②ポジション: ポジションは売買どちらかひとつのみ。(ロット数基準あり)
③新規ロット数: 1注文あたり、最大で証拠金残高の3%の損失金額に相当するロット数
④保有ロット数: 実質レバレッジが5倍以内になるようにロット数を調整

新規ロット数、所有ロット数ともリスクの大小に応じて、Low、Middle、Highの3段階のリスクレベルを選べるようになっています。

また、エントリー、エグジットにフィルター(損益効率を上げるため、一定の条件下でのみ売買を行う追加ルール)を設定することがあります。
ATRによるストップルールもフィルターのひとつと考えることが出来ますが、このEAではエントリールールに60期間EMAのフィルターをかけることも出来ます。

フィルター: trend_filter=trueとした場合、

 買いでは「1本前の終値が60EMAより上にあって」「1本前のRSIが55よりも大きい」

 売りでは「1本前の終値が60EMAより下にあって」「1本前のRSIが45よりも小さい」

と条件を付加することで、売買の回数自体は減らす代わりに、各回の損益は向上が期待できるということになるわけです。

EAのプロパティとその他の注意

それではEAのプロパティ(パラメータ)をご覧ください。

20170110_2_1_EAパラメータ

上から順に見ていくと、
①「リスク許容度」・・・ロット基準のリスク(3段階)
②「損切りATR」・・・ストップの際の倍数(ATRの1倍か2倍)
③「GMMA長期」・・・60EMAによるフィルターを使うかどうか
④「RSIの期間」・・・RSIのパラメータそのもの
⑤「スリッページ」・・・pips許容幅(特に変える必要なし)
となっています。

その他の注意事項としては、ローソク足の確定後、新しい足のティック更新時にのみエントリーを行うため、カウントダウン(1,000通貨取引コース)が推奨されること、現状では学習用EAとしてデモ口座でのみ動作することがあります。

次回は、このEAを使ってバックテストを行いながら、通貨ペアや時間を変えることでどのような違いがあるのか、さらにEAのパラメータを変えるとどのような変化がみられるのかといった具体的な利用について見ていくこととします。

◆本稿は筆者の個人的見解に基づき、執筆されたものです。あくまでも個人ユーザー向けのコラムとして提供された参考記事であり、FXTFの見解、分析ではございません。

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